「ちょっ…! ナタク、タイムタイム!!」
「戦いにそんなものは無いだろう」
「私たちがやんのは戦いじゃなくて稽古! しかもこの場合一方的な!!」
「フン、知るか」
「知るか、じゃない! だーかーらー!! 私今日煽鉾華持ってないって言ってるでしょ!?」
「嘘を言え。その鞄の中にあるのは分かっている」
「うっ…… (バレてる…。ってか!それには気付く癖に足の包帯には気づかないと!?)」
「怪我は言い訳にならないぞ」
「………;; (あー、この子にそんな手が通用するはず無かったわ…。あれ? でも…)」
「何でもいいからさっさと戦え!」
「……。 (…戦いへの執着心はともかく…何か今日のナタク…)」
「おい、聞いてるのか? 何とか言え」
「……何か今日のナタク、らしくないよ? 本気出せる時がいいんでしょ」
「仕方ないだろう。……とまらないんだ」
「え…?」
008.錆びたブレーキ
「(…確かに、アイツが本気を出せない時に戦って負けるのは癪だ)」
――そんな想いとは裏腹に、この勢いは止まるところを知らない。
「(チッ…何なんだ…。宝貝人間には心が無いんじゃなかったのか?)」
★あとがき