「…ねー、それって……矛盾、してない?」
「うん。一見したら、そう言われても仕方ないかもね」
「一見っていうか…そんなの、ホントに作れるの…?」
「やだなぁ、これはただの喩えだよ」
「え、そーなの? …でも普賢なら何とかして作れそうな気も…」
「…僕は別にこれそのものを作りたい訳じゃないんだよ?」
「じゃあ何…? 何の喩え?」
「矛盾してるモノの喩えだよ?」
「………普賢先生、難しすぎて良く分かんないです…」
「あぁごめん、省略しすぎたね。これはね、確かに矛盾してるけど…。封神計画に必要な人材の喩え…かな」
「封神計画に…? じゃあ、望ちゃんの事?」
「…望ちゃんも、言われてみればそうかもね。僕が思い浮かべてたのは違う人だけど」
「…もー普賢、私にも分かるように説明してよー!!」
「だめだめ、そんなすぐに諦めちゃ。じゃあこれ今日の宿題ね」
「えー!?そんなぁー…」
007.あったかい氷
「(ふふっ、その人は、今僕の目の前にいるのに……)」
――矛盾しているってことは、必ずしも悪いことじゃないから。
「(答えを言えば…どっちの痛みも分かる人間の喩え、なんだけどね)」
★あとがき