カチッ、カチッ…

「…まーた切れちまったさ……」

「んー? どーかした? ………って、その手は何」

「代えのやつ、預けてあったさよね?」

「あぁ、それね……ってか、最近良く切れるわね…。吸いすぎなんじゃないの? 大丈夫?」

「………んなコト無ぇさ。気のせいさよ」

「そー? ならいいけど…じゃあちょっと待ってー…」

ごそごそ…

「…相変わらず中身は凄ぇ大量さね。その鞄」

「この収納宝貝のお陰よ。……あ、そーだ…この巾着一個あげるから、自分で持ってればいーじゃない」

「俺っち自分で持ってたら絶対失くすさ。…それとも邪魔んなっちまってるさ?」

「ううん、別にコレ一個分くらい大丈夫だけど…私が持ってると、使いたい時に手元に無くて困んないのかなーと思って」

「どーせ俺っち達、いっつも一緒だから大丈夫さ!」

「…ま、天化が良いなら良いけどね。はいコレ、新しいやつ」

「さんきゅー」








003.オイルれのライター








「(…まさかバレたさ? 最近は中身半分にしてから使ってんの……)」


――それは、できるだけ近くに繋ぎ止めておく為の、些細な手段のひとつ。


「(ま、俺っちの姉弟子サマは鈍いから、大丈夫さよね?…だから苦労すんだけど……)」


あとがき