「うっそー……雨、降ってる…聞いてないわ……」

「あぁん? どーかしたか?」

「雨降ってきちゃったみたい…。どーしよ……あ、そーだ! 確か……ん?」

「コレだろ? 探してるやつ。この前忘れてった」

「あ、そうそうコレ! ありがと雷震子っ!! ……あれ?」

「…今度は何だよ…… げ! そういえば!!

「…これじゃ使い物になんないし…まーいいや。さっさと煽鉾華で飛んで帰ろ…。ってなワケでお邪魔しましたー!雲ちゃんにも宜しく!」

おいおいおい! ちょっと待て!!」

「ひゃっ…! って…危ないわねー。飛び立とうとしてる時に掴まないでって毎回言っ…」

「ここでオメーそのまま返したら! オレ様が親バカ3人組に殺されっだろーが!!」

「何よー、大袈裟な…大丈夫だってば。バレなきゃいーんでしょ? だったら早く…」

だから待てって! ……ほれ、歩いてくぞ!! さっさと帰んだろ? さっさと入れ!! 一刻も早く離れっぞ!!」

「…え? ちょっ、いーよそんなの! 悪いって!! てか手ぇ痛いんだけど…」

いやむしろこっちから頼むから!! んな天気悪ぃ日に雲中子のバカと二人きりになんのが嫌なんだよ! オレ様が身の危険を感じたから離れたいんだよ!!」

「…うー…そーいう事なら…頼むわ。ありがと」

「っし! 行くぞっ!! さっさと行くぞ!! 雲中子のバカに見つかる前に!!」

「…苦労してるね、雷震子……ってか手首痛いってば」








001.のあいた傘








「(言えねぇ…実はオレ様のやつあたりで穴あけちまったなんて言えねぇ…)」


――それもこれも何もかも全部、君と少しでも長く、一緒に居る為の口実。


「(…そういや勢いで手首掴んじまったままじゃねぇか!!)」


あとがき